法務局における遺言書の保管等に関する法律が、令和2年7月10日から施行されます。この内容をブログ内でも自分の感想も交えてお話したいと思います。

上述の法律の運用開始により、 自筆証書遺言による遺言書の保管を法務局がしてくれる ようになります。

そのメリットは以下のとおりです。

① いままでは 紛失 や 改ざん のおそれがあった

 ⇒ 原本を法務局が保管するため、紛失・改ざんされない。

  全国の法務局で保管の有無を確認してもらえるため、遺言者が亡くなった後も遺言書が探しやすい。

② いままでは 遺言を執行する前に、裁判所の検認を受けなければならなかった

 ⇒ 法務局に預けた場合、検認が不要になる。

③ いままでは 遺言書の保管に相当の 費用がかかる (公正証書遺言や弁護士保管)

 ⇒おそらく 低額な手数料 で保管可能になる。 ※本文執筆時(令和1年11月27日)ではまだ未発表

  

 

いままでは様式の不備によって無効になる可能性や、様式を備えていたとしても保管方法をどうするかが問題とされてきた自筆証書遺言でした。

しかし、この運用によって、 自筆証書遺言の作成・保管のハードルはかなり下がった と思います。

ちなみに遺言書の様式に不備がないかも保管時に確認 してもらえるようになると思われます。(ただし、どこまでアドバイスしてもらえるようになるかは、実際の運用を待つ必要があります)

  

次に、この制度を実際に利用する際のポイントを、現在判明している範囲でかいつまんで記載しておきます。

☆ 遺言者

  1. 保管してもらえるのは 「自筆証書遺言」   ※原則自筆で、代筆やパソコン(財産目録は除く)不可
  2. 遺言書は、封をしない状態で持ち込みをする
  3. 保管申請先は、 「住所地」 「本籍地」 「不動産所在地」 の指定法務局
  4. 「遺言者本人が出頭」 しなければならず、本人確認を受ける
  5. 遺言者は、いつでも遺言書の閲覧・撤回が可能
  6. 遺言者以外は、閲覧などできない
  7. 手数料がかかる

☆ 相続人・受遺者など

  1. 遺言者が亡くなった後、 全国の遺言保管所の法務局へ遺言書の写し (遺言書情報証明書) を請求 できる
  2. 遺言書の写し(遺言書情報証明書)を請求すると他の相続人などにも通知される

   

ハードルが下がったとは言いましたが、自筆証書遺言には変わりないため、① 自書しなければならないこと と、代理人を立てられずに ④ 自ら出頭しなければならないこと 、については負担といえます。

筆記が困難・足腰の不自由な方にとっては、自書不要・出張してくれる公正証書遺言の方が使い勝手としてはいいでしょう。

また、一番下の他の相続人等への通知の規定は、昨今騒がれている早いもの勝ちの規定に配慮したものかもしれませんね。

ともあれ運用に関する詳細は今後の発表を待つことになります。

今後どうなるか注意していきたいと思います。